イノベーション&チャレンジデー 特別対談 「大阪駅発!リアル×メタバースの可能性」

新型コロナウイルスの流行により世の中が大きく変化しつつある中、環境変化や予測困難な未来に立ち向かうチャレンジとして、2022年夏より、JR西日本グループが一体となり、メタバース・XR領域への取り組みを深度化させている。登壇者は、日本のデジタル政策の中枢を担う自民党デジタル社会推進本部長衆議院議員平井卓也氏(ご都合によりweb参加)、ギネス世界記録を持ち日本で最も注目のメタバース法人の代表である舟越靖CEO、京都を中心にデジタルマーケティング分野の他メタバースコンサルによる地域の盛り上げに大きく貢献している積高之代表、そして、JR西日本グループにおけるメタバース・XR領域参入の中心人物であるJR西日本コミュニケーションズの伊藤義彦副社長である。

この場だからこそ実現した4名のトークセッション、大阪を基点にしたリアルとの掛け合わせによるメタバースの可能性について、熱く議論し合った。今回はその様子を皆様にお届けする。

〇第1部 登壇者からの取り組み紹介

第1部では、政府・ベンチャー企業・中小企業・大企業と、属する立場の異なる登壇者4名からそれぞれの取り組みを紹介。メタバース・XR領域における新しいビジネスモデルの確立や社会を変革していくためには、参加、体験、チャレンジの心意気を持って取り組むことの重要性についてなど語っていただいた。

【平井】:ビデオメッセージ

 鉄道会社がメタバースに飛び込むこと自体が非常に画期的であり、可能性を感じています。日本はIP天国と言われていますが、鉄道会社自身が持つ駅や列車も非常に魅力あるIPであることは間違いないです。リアルな空間とデジタル空間が融合することで、これから駅そのものの存在も変わってくると思います。

 この20年間、デジタル化の歴史を見てきました。デジタル自体、かつては一部の人のものでしたが、今は全ての人にとってなくてはならない社会インフラになっています。スマートフォンも2007年に出始めて、今や、列車に乗っている多くの人々はスマートフォンを見ながらいろいろな情報に触れている時代になりました。デジタル庁も地方自治体と「共創プラットフォーム」を作り、各自治体が取り組んでいるweb3.0のような取り組みを情報交換しながら支援しています。

 今、まさにインターネットを活用したビジネスモデルが大きく変わろうとしており、社会の中でより進化しようとしている時代であると思います。そのため、新しい取り組みにまずは参加して体験するというところからスタートさせるべきだと考えています。体験の中から次の新しいビジネスモデルや社会が生まれてくると思いますし、全ての方が新しい時代にチャレンジするべき時であると考えています。

 今回のイベントに多くの方々が参加し、体験し、次の時代を引き寄せることで、日本ならではの新しい世界観で次の時代を一緒になって作っていければと思っています。

 

 

【舟越】元々大企業で仕事をしていました。自らがクリエイターになりたい夢があり、独立後、クリエイティブ事業を始めました。その際、「VR」の黎明期に作った会社がHIKKYであり、縁があり今回登壇させていただくことになりました。現在弊社は、国内最高規模でもあるシリーズAラウンドで70億円調達し、非常に注目していただいています。ここまでの資金調達が叶ったのは、メタバース事業モデルの成功事例を作り、黒字経営を実現しているからであります。グローバルにあらゆる事業会社とお仕事させていただいており、その中の1つに、2022年8月にバーチャル大阪駅構築にてご一緒させていただいたJR西日本がございます。

【積】主には、Webマーケティングのコンサルタントをすると共に、大学院の後期博士課程に在学し、メタバース空間における嗅覚に関する研究をしています。ウェブ解析士協会にも属しておりますが、ウェブマーケティングの世界も、メタバース・web3.0の観点を含め、近年大きく変わってきている状況です。コロナの打撃も相まって衰退している京都の伝統工芸を、メタバース空間でのNFT販売などにより、地域を盛り上げていくお手伝いをしています。

【伊藤】JR西日本の2期生として平成元年に入社し、人事・経営企画・バス会社・監査などを経験後、和歌山支社長、IT本部副本部長を経て、現在JR西日本コミュニケーションズで副社長をしています。デジタルの分野から世の中に新しい風を吹かせることができればと考えています。現職に着任早々、バーチャル上での何らかの取り組みができないかと、弊社社長から宿題をもらいました。その際、コロナ大打撃の中であったことも踏まえ、移動によらない事業の活路としてメタバースに着目しました。尚、JR西日本単体ではなく、鉄道会社が連携してメタバースを盛り上げていくことに可能性を感じ、HIKKY様のバーチャルマーケット 2022 in Summerにバーチャル大阪駅を出展させていただくことにしました。